(その1より続く)
では、ここからは写真を交えて 和休’s GPZ1100 の細部について紹介しましょう。
フロントタイヤ
フロントタイヤのサイズは、120/70 17インチ。交換後15,000km走破。雨天時を含めて私のレベルではこれまで不満を感じたことはありません。磨耗の進み具合も遅く満足しています。
溝はまだありますが、そろそろゴムも硬化し始めているので今年は交換予定です。
和休の腕では、ビバンダム君は全く削れていません…
フロントブレーキ
300mmのディスクを装備。キャリパーはトキコのピンスライド式2ポッド。パッドはベスラのメタルパッドを装着。
和休の走り(ツーリングのみ)では制動力、タッチともに不満はありません。GPZ1100を購入後すぐにキャリパーのシール交換をしました。これにより新品時の性能に戻っただけですが、タッチはかなり改善した記憶があります。
ブレーキホースは、Goodridgeの黒ホース、ステンレスフィッテングを装着。
フロントフォーク&フロントウインカー
インナーチューブ径は41mmの正立タイプ。Kawasakiの設計者は43mmのフォークにしたかったそうです。
GPZ1100もE5型は43mmです。以前いつ換えたか分からないオイルを交換しないと…
『POSH スリム&シャープウインカー』をベースにLEDをインストール。詳細は、『旅カスタマイズ』第八弾 LEDウインカー(その1)及び『旅カスタマイズ』第八弾 LEDウインカー(その2) をご覧ください。
ウインカー上部にあるラムエアダクトのようなものは、ダミーです。どこにもつながっていません。しかしエンジン上部を冷却する目的があるのかも知れません。
ヘッドライト
H4バルブの1灯式です。HIDではなく、ハロゲン球のままです。光軸調整ネジはカウルを外さずに回せます。和休の感じではもう少し横に広がってほしいなと思います。
ヘッドライト上部にあるエアインテークですが、ここをふさぐとスクリーンの外側と内側の気圧差が大きくなり、高速走行時にスクリーンがぶれます。
ミラー
GPZ900(後期型)と同じデザイン。車体から離れていますが、振動も少なく後方視界は良好です。
ミラーは360°回ります。和休は車体カバーを掛ける際ミラーを畳むのですが、毎回走り出すときミラーの位置が決まらず、ツーリングに出かけて最初の1時間くらいの間は信号待ちのときなどタイミングを見計らって微調整を繰り返します。
スクリーン
純正品です。一時MRAのスクリーンに交換しましたが、純正品のスタイルが良いと思ったので戻しました。
ラジエーターとオイルクーラー
上部がラジエーター、下部がオイルクーラー。
GPZ1100のカタログによるとラジエーターの放熱量は、21,000kcal/h、オイルクーラーは3,600kcal/h。GPZ900のラジエーター容量が小さいという評価があったためか、大容量のラジエーターを装備しています。
GPZ1100は、夏場、大排気量車にありがちな熱地獄がありません。ラジエーターを通った風はサイドのダクトから吐き出され、ライダーの脛あたりをかすめて後方へ流れます。
ホーン
しょぼい音です…
スバル・アウトバックの純正ホーンの音が好きなので、交換しようかな。
メーターとハンドル周り
ハリケーン社のKawasakiバーハンキットを装着。ハンドルバーはバリオス2を使用。詳細は、『旅カスタマイズ』第五弾 バーハンドル化をご覧ください。
ステアリングは、フルカウル車だからでしょうか。CBより切れません。Uターンや取り回しする際には気を使います。
左ハンドルスイッチはハザード、ウインカー、パッシング、ディマー、ホーンを装備し、右ハンドルスイッチはキル、スターターを装備。国内仕様なのでライトスイッチはなし。夜間ライトを消したい場合があるのでライトスイッチ装着予定。
クラッチは油圧式で、kawasaki車の文法どおりミート位置は遠めにセットされています。
クラッチの操作に要する力は、和休は普通の重さと思います。大型自動二輪だからといって極端に重いわけではないです。
ネジ2本で止まっている右側インナーカウルを外すと、ラジエタータンクのキャップが現れます。
GPZ1100のカウルですが、ミラーの付け根辺りが横に広がっていますね。この張り出し具合が絶妙で、手に当たる風を和らげてくれます。このおかげで冬でもスリーシーズングローブで乗り切ることができます。
燃料タンク
容量22L。リザーブ容量5.6L。レギュラー仕様。
タンクキャップに装着しているものは、SW-Motechのタンクバッグを装着するアタッチメントです。
詳細は、『旅カスタマイズ』第六弾 SW-MotechデイパックIIをご覧ください。
GPZ1100のタンクは、かなりスリムな形状をしていますが、長さは長いため少々ハンドルまで遠い印象です。
このため、車検証では前後均等に重さがかかっているのに、ライダーの上半身が覆いかぶさるようなポジションになり、このことがフロントを重く感じさせるように思います。
ヘルメットホルダー
GPZ1100で便利だなと思う装備がこれです。気をつけて装着しないとタンデムステップでヘルメットに傷が入りますが…
右下にあるカウルの穴は、リアブレーキフルードの残量点検窓です。
リアブレーキ
250mmのディスクブレーキ。リアブレーキのタッチははっきり言ってスポンジーです。
ホンマかどうかは定かではないですが、長距離を走破して疲労のたまったライダーが操作するにはこのタッチがいい塩梅だそうです。思いきり踏めばロックします。
和休はシフトペダル、ブレーキペダル共にちょっと下げてセットしてます。
マフラー
ZZR1200用devil SB-2 左右二本出し
詳細は、『旅カスタマイズ』第三弾 devilマフラーをご覧ください。
排気パイプの直径は54mmあります。サイレンサー手前にワンオフで作成してもらったアルミ製のバッフルをいれ30mmに絞ってあります。
少々音量が大きくなってきたので、サイレンサーの補修が必要かも知れません。
リアタイヤ
ミシュランパイロットロード2
リアタイヤのサイズは、170/60 17インチ。フロントタイヤと同時期に交換。
チェーン関係
チェーンアジャスターはkawasaki車でおなじみのエキセントリックチェーンアジャスターではなく、通常のリアアクスルシャフトを引っ張るタイプ。
チェーンアジャストのとき、アクスルシャフトの目盛りはスイングアームに固定されておらず、プレートが動きます。アテになりません。
チェーン交換時に、フロントとリアのスプロケ、ハブダンパーを交換。GPZ1100のハブダンパーはヘタるのが早いという評価も耳にします。
ロングフェンダー
輸出仕様のロングフェンダーを装備。
和休は複数台で走るとき先頭を走ることが多いので、後続車のことを考慮したのと、トップケースをホルダーに固定するところに鍵穴があるので、水の跳ね上げが少なくなることを期待して装着。
ノーマルフェンダーに4箇所ネジ止めして固定するのですが、隙間から水が染み出てきます。ブサイクなのでシリコンでも充填しようかと検討中です…
エンジンとトランスミッション
国内仕様のGPZ1100はわずか4,500回転で最大トルク(9.0Kgm)が出てきます。スロットルを開けるとモリモリとトルクが湧いてきます。そしてそのモリモリ感を伴ったままレッドゾーンの11,000回転まで吹けあがります。
ひとつ残念なことは、この爽快感を楽しむ機会がとても限られていることでしょう。和休の腕では高速の合流でしか味わうことはできません。
その他、4,500回転で最大トルクが出力されている割に、2,000回転以下では少々頼りない感じがします。キャブレターオーバーホール&同調合わせなどをしていますが、さほど変わったような感触はありません。
トランスミッションは、停車時ローギアとニュートラルのみに入ります。この機構を「ニュートラルファインダー」といい、おそらくkawasaki車独自のものと思います。一般的にはベテランライダーには不要と思える装備ですが、ついていて良かったと思う瞬間もあります。
和休の場合、それは高速の料金所(特に阪神高速など本線上にある料金所)です。ETC非装着車なのでニュートラルが素早く確実に出せる安心感を得ることができ、安全にもつながります。
副産物としてローギアへ入れると「ガチャコン」と大き目の音が響きます。
この感触は「行きまっせ~!」という気分を盛り上げてくれます。
GPZ1100のトランスミッションは、ZZR1100をベースに改良したものを搭載しています。改良点の一つにギア抜けがありますが、GPZ1100でもラフにギアチェンジをするとまれにギア抜けを起こします。
人によっては、「幻のニュートラル」なんていいますが、ギアチェンジを終えクラッチをつなぎつつスロットルをひねると「パコッ!ぶおおぉぉぉーん」てな感じでギアが抜けます(特に3→4速)。
正しい対処かわかりませんが、和休はクラッチを完全に握り、回転を落ち着かせた後、上のギアに入れてます。というのも、初めてギア抜けを起こしたとき、下のギアへ入れたところ「バコン!」と盛大な音がしましたので…
最近、愛用していたkawasakiのエンジンオイル「T-4」が生産中止になったので、昨年の夏、ASHの化学合成のエンジンオイル(15W-50)に変えたのですがギアのタッチがかっちりとしたものになりました。
このオイル、和休の好みかも知れません。次回も使用してみようと思います。
オイルのフィラーキャップを変更しています。
和休のGPZ1100は、自宅から離れた駐車場に停めてあります。管理人常駐なのですが、四六時中、和休のGPZ1100をみつめてくれているわけではありません。
心無いイタズラからGPZ1100を守るべく、手で簡単に開けることができるキャップから、工具を使用する(といってもコインで十分ですが…)キャップに変更しています。
ちなみにこの部品、1400GTRのファイナルギアケースに付いているフィラーキャップです。
センタースタンド
(2013年2月3日追記)
GPZ1100にはセンタースタンドが装備されています。サイドスタンドで停車させたほうが安定するため、通常は使用しませんが、メンテナンスをするとき、リアシートへ荷物を積むときはセンタースタンドがあるととても便利です。
GPZ1100は260kg(車両重量)ありますが、センタースタンドを掛けたり外したりは意外と簡単です。和休はCBのセンタースタンドの方が苦手でした。
掛ける場合、車体を垂直に保ちセンタースタンドの両足を接地させ、スタンドに体重を掛けると同時に車体を引き上げるのですが、ここでもGPZ1100には着目すべき装備があります。
それは、シート下にある窪みで、ここにはフレームに溶接された持ち手があります。スタンドに体重を掛け、この持ち手を引き上げると…
あっさりとセンタースタンドが掛かります。
逆に外す場合ですが、基本どおりやれば問題ありません。外れた瞬間に車体が暴れることもないです。和休も最初は右側に倒しそうな不安がありました。 これは外れた瞬間にハンドルを右に切ることで対応しています。こうすると反力で左に倒れるようになるため右へ倒れそうになることはほとんどありません。
まとめ
和休がGPZ1100に触れているなかで、バイクから浮かんできたキーワードとは、ズバリ「ユーザーフレンドリー」です(使い古された感もある言葉ですが…)。
kawasaki車はその昔、レーサーレプリカ全盛時代であってもタンデムのことを考慮した装備を備えていました。
GPZ1100のベースとなったZZR1100も日常の使い勝手はなかなか良いと効いたことがあります。
kawasakiの考える、ツアラーとはこうあるべきだという姿勢が伝わってきます。それは、一見重すぎるような車重、ライダーを走行風だけでなく、エンジンの熱からも守るとてもできのよいカウル、見やすいミラー、あるととっても便利なメーター内の時計(しかもかなり正確)、モノサス車なのに広々としたシート下スペース、ヘルメットホルダー、大容量燃料タンクなどなど。
GPZ1100は新車時の価格が確か100万円を切っていたと思います。リッターバイクにしては安い値付けであったため、既存の部品を寄せ集めて仕立てたバイクでは?と思われがちですが、ZZR1100を単にツアラーに作り変えたのではなく、フレームからきちんと見直し、ユーザーが使う状況を想定していることが各部からわかります。
乗り味にしてもGPZ1100は、常にビンビンに気を張り詰めさせて運転するのではなく、適度にリラックスして運転できるのですが、先に述べたリアブレーキに限らず、少々ダルな感じを感じさせる各部の操作感がこの雰囲気を作っているのかなと思います。
じつはかなり贅沢な設計がなされているんじゃないか、というのが和休の印象ですね。愛機として長く付き合いたい1台です。
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