燃料タンクの妖精

スポンサーリンク
記事内に広告が含まれています。

カワサキの燃料タンクに妖精が住んでいる、という伝説はご存知でしょうか。

タンクの中に住んでいる妖精は、天気が良くなると機嫌がよくなるので笛を吹いて楽しんでいるそうです。

和休のGPZ1100にも妖精が住んでいまして、よく笛を吹いてくれ、和休を楽しませてくれました。

なんてね。

タネ明かしをすると、燃料タンクから空気が抜けるときの音なんです。バイクに日光が当たるとタンク内の温度が上昇し、ガソリンが膨張します。すると、膨張したガソリンに押され、タンク内の空気が圧縮されます。

このまま放っておくと、ガソリンキャップを開けた時に、ガソリンと空気が勢いよくあふれ出てくるので危ないですね。

また、バイクを走らせると、当然、ガソリンが減ります。減った分だけ外から空気が入ってこないと、エンジンへガソリンが供給できなくなります。

このため、ガソリンタンクには空気穴が設けられています。放置期間が長いバイクだと、この空気穴が詰まってしまい、上記の現象により不具合が発生することがあります。

この空気穴は、外部から雨などの水分が極力入り込まないように、複雑な構造になっています。

カワサキのバイクに限った話ではないのですが、空気がここから抜けるときに、「ピー」とか「プー」とか鳴ることがあり、これが笛の正体です。

和休のGPZ1100は、よくこの音が鳴りました。「ピー」とか「プー」だけでなく、「プププ」とか「ピスー」とか。気温やガソリンの残量によってでしょうか、音色が変化して、本当に妖精がいるみたいでした。

ところが、この妖精の笛が楽しめなくなりそうです。

2017年10月から、ヨーロッパの排ガス規制「ユーロ4」へ対応した新しい規制が導入されますが、この規制の中には、気化したガソリンを大気中へ放出することを禁止する項目があるんです。4輪の自動車にはすでに「チャコールキャニスター」という気化したガソリンを回収する装置が搭載されているのですが、バイクにもこの装置の搭載が義務付けられます。

つまり、気温上昇によりガソリンタンクの空気穴から抜ける空気には、ガソリンが含まれているので、これを大気解放せず回収する必要があります。よって、新規制に対応した車両からは、妖精の笛は聞こえてこない、ということになります。

ま、カワサキのバイクですから、新しい妖精が住み着いてオーナーを楽しませてくれるのではないでしょうか。

伝説や性能やデザインだけでなく、こんな思わずクスッと笑ってしまう話があるのが面白いですね。関西生まれだけあって、カワサキのバイク、いい感じです。またオーナーになりたいです。

コメントをどうぞ!

タイトルとURLをコピーしました