和休の前愛車であるスズキ・バンディット1250Sには、グリップヒーターを装着していました。
元々、グリップだけ温かくして効果はあるのかな?と思っていたのですが、これがかなり効果があることが分かりました。
寒い日だけでなくて、夏場であっても冷たい雨が降るようなときにゆるーくかけておくと、疲労度が変わってくるんですね。
デメリットとしては、純正のグリップより若干硬くなってしまうことです。グリップの厚みも若干厚くなるのですが、和休はあまり気になりませんでした。
バンディットに装着してみて、とても効果的だったので、V-Strom650にもグリップヒーターを取り付けてみたいと思います。
キジマ・グリップヒーター GH08 を購入
和休が購入したのは、バンディットに装着していたものと同様の、キジマ製のGH08です。
グリップ一体型ではなくて、コントローラーが別体になっているものです。ハンドル径は22.2Φ、グリップ長は120mmを選びました。
コントローラーが一体になっているタイプは省スペースが魅力的ですが、和休はハンドルにごちゃごちゃ付いている感が好きなので、あえて別体品を選びました。
安いのもポイントです。
配線をまとめるのが難しい
バンディットに取り付けたときも感じた問題が1つありまして、キジマのこのグリップヒーター、性能には満足していたのですが、配線の長さがちょっとイマイチなんです。
バッテリーからの線、グリップヒーターからの線がちょうどハンドルの真下辺りで合流するような長さなんです。
フロントフォークの動きに干渉しないように、ハンドルをいっぱいまで切ったときに線の長さが不足しないように、と場所を考えて装着しないとないといけないのですが、いい感じになるように線の長さを調整すると、3つある配線のコネクター部分が「ここしかない!」という場所にきます。
そういうふうに設計されているのでしょうが、その場所というのがフロントフォークとフレームの間の限られたスペースなんですよね。
もうすこしグリップからの線が長ければフロントカウル内に押しこめそうなのですが、なんとかこのスペースに取り付けないといけません。
このグリップヒーターを取り付けるうえで、最大の難関だと思います。
ただ、この問題ってGH08だけの問題じゃないのかな、とも思いました。
他メーカーのグリップヒーターを取り付けたことが無いのですが、多分、他メーカー品も同じような感じじゃないのかな、と思います。
リレーを使ってエンジンキー連動の電源を取りだす
グリップヒーターと一緒にリレーを購入しました。
GH08の消費電力は、最大36Wと書いてあります。バッテリー電圧を14.4Vとすると、36W÷14.4V=2.5A。12Vとすると、3Aの電流が流れることになります。
フューズも4Aのものが付いていました。バッテリーからの電気を熱に変換するので、そこそこの電気が流れるわけです。
ですので、余裕のある配線から電気を取らないといけませんが、サービスマニュアルなんて持っていないので、どこから取ればいいかわかりません。
そこで、リレーを使って専用の線を引いてくることにしました。
リレーの仕組み
「リレー」とは、スイッチの一種です。
一般的なスイッチは、手でON←→OFFを切り替えるのに対し、リレーは電磁石の磁力を使って、スイッチのON←→OFFを切り替えます。
赤と黄色の配線に太いものを使用すれば、大きな電気を使う機器にも、安定して電気を供給することができます。
配線
では、リレーの配線を行います。青い線は、リレーのコントロール線です。電磁石をON←→OFFするための電気を流します。
前オーナーが設置したエンジンキーに連動する線と、リレーの青線を繋げます。
エーモンの電工ペンチを使います。
電工ペンチのコードストリッパー部分で被覆を5mm程度めくったら、スリーブと呼ばれる透明なチューブを配線に通します。
配線にギボシ端子をあてがいます。これはオス端子と呼ばれるもので、電気を供給される側に取り付けます。
家電の電源プラグって、壁のコンセントに差し込むように接続しますよね。これは、電源を供給するコンセントが露出していたら、うっかり端子同士を触ってしまってショートさせてしまう危険を避けるためです。
これと同じように、電気を供給される側にオスのギボシ端子を付けます。
電工ペンチでかしめて。
スリーブを被せて完了です。
反対側(リレーに接続する側)には、メスのギボシ端子を付けます。
バッテリーのマイナス端子に接続する線は、丸型端子を選びました。同じような用途のクワ型端子に比べると、接続するためにネジをいったん抜く手間がありますが、その代わり外れにくい端子です。
マイナス側の配線ができました。
マイナス側はバッテリーのマイナス端子に接続するのが良いのですが、代わりに車体に接続することもできます。今回、タンク下のネジに接続してみようと思います。
ボディーアースといって、バッテリーのマイナス端子は車体に接続されていて、車体全体がマイナス側になっています。
電装品のところまでプラスの線を持っていけば、マイナスの線はバッテリーへつながなくても車体に接続してしまえば電気が流れるようにできているのです。
エーモンの検電テスターを使って、電気が流れる部分か調べました。
リレーのマイナス端子とグリップヒーターのマイナス端子は、ここへ接続しました。
バッテリーのプラス端子とリレーの赤線をつなぐ線には、エーモンのヒューズホルダーを使用しました。両端はバッテリー側に丸型端子を、リレー側にギボシ端子のメスを取り付けました。
グリップヒーター接続
動作確認ヨシ!
グリップヒーターを箱から出したら、まず、動作確認します。
赤線をバッテリーのプラス端子へ、黒線をマイナス端子へ接続してコントローラーのスイッチをONしました。
インジケーターが赤く光り、グリップがじんわり暖かくなってきました。動作は正常のようです。
クラッチ側のグリップを装着
左側のグリップを取り付けます。動作確認を兼ねて温めておくと、グリップが柔らかくなってハンドルに挿入しやすくなります。
キタコのグリップボンドを使います。
コードの出ている側からグリップ内側にたらたら~と塗り、ハンドル側にもちょんちょんとボンドを置いておきました。
あとは、グリップをぐっと挿入していきます。
手ごたえは結構硬く、ネジネジしたくなりますが、説明書によると断線の原因になることから避けるように、と書いてあります。グリップを温めて柔らかくしてから挿入するのがコツだそうです。
和休は、辛抱できずにネジネジしてしまいましたが。
無事、スイッチボックスまでグリップを挿入することができました。このボンドはゆっくり固まるタイプなので、グリップからの線の位置をしっかり決めておきましょう。
和休は、真下に出るような位置に固定することにしました。
荷物を固定するゴムバンドで縛り付けて、密着させました。グリップにゴムバンドの跡が付くときがありますので、気になる方は他の方法を考えてください。
左側の乾燥を待つ間に、右グリップの加工を行います。
アクセル側のグリップを装着
続いて、アクセル側のグリップを交換します。
バイクのアクセルは、スロットルコーンと呼ばれるアクセルワイヤーを巻き取るプラスチックの部品にゴムでできているグリップを被せてできていますが、スズキ車は、グリップがずれないようにスロットルコーンに出っ張りがついています。
V-Strom650のアクセル側のグリップゴムをめくったところです。スズキ車特有の出っ張りがついています。
グリップヒーターや社外品のグリップに交換する場合、この出っ張りが邪魔になります。
特に親指の横にある傘状の出っ張りを削り取らないと、グリップが奥まで入りません。
では、アクセル側のグリップを加工します。この写真は、加工前のグリップです。
カッターナイフでグリップのゴムを切り裂きます。
ムリムリーとグリップをめくると、先ほどの写真の状態になります。
この傘状の部分を削り取ります。
和休は、オルファのホビーのこを使うことにしました。実は、Amazonで間違えて購入した物なんですが、こんなとことで役立ちました。
デザインナイフの刃先を交換しました。
グリップの角度を変えて、少しづつ傘状の部分を取り除き、目の粗いサンドペーパーで仕上げたのがこちらの状態です。
出っ張り部分が全くなくなる状態まで削ってしまうとグリップがゆるゆるになる恐れがありますので、わずかに残しておくのがコツです。
右スイッチボックスを元通り組み立ててから、グリップヒーターを挿入していきます。
左グリップと同様、グリップボンドを塗ってグリップヒーターを挿入。ゴム紐でグルグル巻いて圧着しました。
ちなみに説明書ではグリップヒーターの線が出る位置の指定はありませんが、和休は下向きにしました。
バンディットでも下向きにしていて、トラブルはなかったので。
アクセルを全開にすると、このような状態になります。配線するときは、ハンドルを左にいっぱいまで切ったうえで、アクセルをここまで回してもなお線に余裕があるように、配線を固定しましょう。
配線を仕上げる
あとは車体からの配線に、グリップへ行く配線とコントローラーへ行く配線を接続してキレイにまとめれば良いのですが、これが難しい。
センタースタンドで車体を固定すると、リア側にすこし重さをかけるだけでフロントが浮きます。
この状態で、左右にハンドルを切りながら、配線が突っ張らないようなところを探していきます。
結局、車体からの配線との接続をこの辺りにするのが良さそうなので、ここに、なんらかの方法で線を固定したいと思います。
和休は、これを使用しました。「マウントベース」と呼ばれるもので、タイラップを通すことができます。
両面テープで車体に貼り付けます。
この辺りに配線をあつめて、長めのタイラップで固定することができました。
本日使用した用品
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