2022年7月17日、V-Strom650と兵庫県内の林道「瀞川・氷ノ山線」を訪れました。
この林道は、兵庫県内最長の未舗装路を有する林道として知られています。
なぜ、和休がこの林道を訪れたか、というとV-Strom650で未舗装路は走れるのか?ということを試してみたかったからです。
バンディット1250SからV-Strom650に乗り換えた理由の一つに、未舗装路を走ってみたい、というものがあります。
未舗装路といっても250ccクラスのバイクが走るようなハードな道路ではなく、よく整備された未舗装の林道のことをイメージしています。
いつかは剣山スーパー林道とか、天空の林道とか天空の池につながる道を走りたいな、と思っています。
本日のルート
林道・瀞川・氷ノ山線
林道・瀞川・氷ノ山線は北コース(紫色)と南コース(青色)に分けることができます。
本日、和休は国道29号線から国道9号線へ向けて林道を抜けるので、南コースから北コースを通ることになります。
南コースは、国道29号線から氷ノ山国際スキー場まで。北コースは、ハチ高原スキー場から国道9号線までです。
瀞川・氷ノ山線(総延長45.4km)
美方郡香美町村岡区の国道9号線を起点に、兎和野高原・瀞川山・鉢伏山の山麓を経て養父市大久保のハチ高原に至る鉢・瀞川ルートとさらに養父市福定から県下最高峰の氷ノ山(1,510m)の山麓を通過し養父市大屋町の奥山国有林と宍粟市波賀町の坂の谷国有林を経て宍粟市波賀町戸倉の国道29号線に達する氷ノ山ルートを併せた林道です。
この林道は、県下で最初に完成した森林基幹道ですが、先行して開設されていた国道29号線側からの約8㎞は兵庫森林管理署(国)が管理し残る37.4㎞を兵庫県が管理しています。
沿線の大半が氷ノ山後山那岐山国定公園内にあり、1000mを超す山々をはじめ、渓谷・滝・高原・原生林・巨木など豊かな自然に恵まれています。
このうち鉢・瀞川ルートの兎和野高原には県野外教育センターや、安藤忠雄設計の木の殿堂、但馬高原植物園など体験学習施設や和池・兎和野の大カツラやレンゲツツジなど見どころがいっぱいです。
さらにこのルートの瀞川山頂部には、林道では大変珍しい1.2㎞の直線ラインがあり、左右のスギ林とカラマツ林のコントラストや「すぐそこ登山」で瀞川山制覇などを楽しむことができます。
この二つのルートの接点となる鉢伏山山腹にはハチ・ハチ北・東ハチと呼ばれている高原が広がり、宿泊施設も多くスキーや登山をはじめとするレクリレーション基地として、四季を通じて多くの人々が訪れます。
また、氷ノ山ルートにはブナやミズナラ・トチノキの原生林があり新緑と紅葉のシーズンはすばらしく、当協会でも毎年自然観察ツアーを実施しています。
氷ノ山への登山コースのほとんどがこのルートから出ています。特に、福定起点から12.5㎞地点の「大段ヶ平」は但馬山岳の眺望がよく、氷ノ山登山の最短基地としても広く利用されることから森の駅:氷ノ山中央駅として整備されバイオトイレや駐車場も完備しています。
また、このルート沿線には、横行渓谷をはじめ、逆水の滝、羊ヶ滝などの滝もあり、渓谷と滝めぐりや初夏のスズコ採りなど、多様な森林ツーリズムの宝庫です。
一般社団法人 兵庫県治山林道協会のHPから引用
瀞川・氷ノ山線 南コース
そんなわけで、練習がてら林道・瀞川・氷ノ山線にやってきました。
今回、国道29号線から林道にアクセスします。
国道29号線沿いにある名物「滝流しそうめん」の店舗です。いつか訪れようと思っていたのですが、大雪で設備が壊れてしまい休業中だそうです。残念です。
南コースの入口
国道29号線を走ると、氷ノ山登山口の標識が見えてきます。かつて「やまめ茶屋」の看板が掲示されていた場所です。
ここが林道・瀞川・氷ノ山線の起点になります。
林道に入って数百メートル。氷ノ山自然歩道の案内図の先で、舗装が途切れました。
そろりそろりと未舗装路に進入します。
写真ではフラットな未舗装路に見えますが、少しずつコツをつかむまでは、かなりヒヤヒヤものでした。
色々試してみると、1速でスタンディングで走ると一番安定して走ることができるようです。
それでも和休の腕では、20km/h程度で走るのがやっと。
坂の谷コース登山口
恐る恐る走って、氷ノ山の登山道の一つである、坂の谷コース登山口に到着しました。
国道29号線から坂の谷コース登山口まで時間にして数十分といったところですが、初めての未舗装路走行なので少し疲れました。
水分補給をして、ちょっと休憩。
ここには、トイレが設置されていました。バイオトイレという仕組みのトイレですが、新しく綺麗なトイレです。
中を覗いてみました。山の中なので水道や下水道はありません。そこで、バイオトイレという水を極力使わないトイレが設置されていると説明がありました。
道の様子を撮影しました。大規模な林道だけあってこまめに整備されているようで、大きな轍などはなく、走りやすいです。
ただし、上の写真の右側あたり、石の色が変わっている部分はちょっと柔らかく、タイヤを取られました。
大雨が降ると、コーナーの内側を雨水が通り抜けるため、ここが大きく崩れることがあります。石の色が変わっている部分は、補修のため土を盛ったところなのでしょう。
坂の谷コース登山口を出発。日当たりが悪く地盤が緩めのところがありましたが、無事、次のバイオトイレに到着しました。
殿下コース登山口
未舗装路の走行にも少しずつ慣れてきましたが、舗装路に戻るとちょっとほっとします。
ここは、殿下コース登山口というところです。名前の由来は、なんと令和天皇が皇太子時代に登られたルートだからだそうです。
ここのトイレは、多分発電機と思われるエンジンが低いうなりをあげていました。
休憩がてらV-Strom650をチェック。
Vストが履いているタイヤ、ミシュラン・アナキーアドベンチャーはしっかりと道をつかんでくれます。
国境の駅
林道・瀞川・氷ノ山線には、いくつか「駅」というチェックポイントが設けられています。ここは、宍粟市(播磨の国)と養父市(但馬の国)の境にある、国境の駅というところです。
林道山頂駅
さらに進んで、林道山頂駅に到着しました。
案内看板によると、ここの標高は1,250mで、瀞川・氷ノ山線の最高標高地点であり、兵庫県内の林道の最高標高地点でもあります。
最高標高地点ですが、木々に覆われて、見晴らしはイマイチ広がりに欠けます。
大段ヶ平登山口
次のバイオトイレに到着しました。ここは、大段ヶ平登山口です。
バイオトイレの壁には、バイオトイレの仕組みについて説明がありました。
杉を細かく砕いたチップを使って、尿を水と炭酸ガスに分解する仕組みだそうです。
水は装置内を循環しているので、電気さえあれば稼働することができるらしく、ここも発電機がうなりをあげていました。
大段ヶ平とは、氷ノ山から伸びる尾根に広がる台地状の場所の名前です。大きな広場があります。
180度の景色が広がり、但馬の山々を眺めることができます。
また、この登山口からのコースが氷ノ山山頂までの最短コースとなっており、山頂まで往復約2時間30分だそうです。
東尾根登山口
氷ノ山・東尾根登山口に到着しました。ここから山頂まで3.9kmだそうです。
写真の奥に見えている草の斜面は、氷ノ山国際スキー場のゲレンデです。
少し走って、スキー場にやってきました。
氷ノ山国際スキー場といえば、レジャーよりも学生がスキーの腕を磨く練習場といった雰囲気で、バッジテストや大会が盛んにおこなわれています。
氷ノ山国際スキー場を過ぎると、一旦県道に出ます。瀞川・氷ノ山線をトレースするうえで、ここが間違えやすいところかもしれません。
和休は、写真の左の奥からやってきました。ここはUターンのように左折して、写真右奥へ向かうのが正解です。
南コースはここが終点。兵庫県道87号線を通って、北コースの入口のある鉢伏高原へ向かいます。
瀞川・氷ノ山線 北コース
鉢伏高原
兵庫県内最大のスキー場である、ハチ高原スキー場のある鉢伏高原にやってきました。
隣のハチ北スキー場と合わせて、ハチ・ハチ北スキー場と呼ばれています。
和休、ハチ北スキー場には何回か行ったことがあります。
ハチ高原スキー場とハチ北スキー場は頂上でつながっているので、互いに行き来することができるので、ハチ高原スキー場も滑ったことはありますが、スキー場の外に来たのは初めてです。
スキーの時は、雪が積もっていて良く分からなかったのですが、だだっ広い高原が広がっていて周りには民宿が連なっています。
また、今日は天気が良いこともあって、夏のスキー場の景色は色が濃くて感動しました。
ハチ高原スキー場から、林道の後半戦に入ります。
氷ノ山展望駅
氷ノ山展望駅に到着しました。残念ながらここも木々が生い茂っていて、眺めはよくありません。
少し走ると、多分スキー場のゲレンデに出たのでしょう。大きく景色が広がる場所に出ました。
この写真だけを見たら、ここが兵庫県なんて思わなくないですか?
このあと、ブラインドコーナーで対向車をかわそうと道の端に寄って停車したところ、どうも新しく土を盛った場所だったらしく足を滑らせてしまい、バイクともども転倒してしまいました。
幸い地面が柔らかかったのでバイクの走行には支障ありません。ですが、エンジンガードとフロントウインカーに傷が入ってしまいました。
また転倒した場所が坂道で、地面が柔らかく車体を起こすのにかなり難儀しました。
林道は、何が起こるかわかりませんし、助けを呼ぶことも困難です。できるだけ複数台で走った方が良いですね。
氷ノ山ストレート
ついに瀞川・氷ノ山線名物の2kmものストレートにやってきました。果てしない直線が続きます。
写真では何度もみましたが、実際に現地を訪れるとすごい景色です。
氷ノ山ストレートを反対側から。未確認情報ですが、このストレートは2022年の末に舗装されたと聞きました。
はちまき展望台
はちまき展望台に到着しました。ここも180度以上のパノラマな景色が広がる展望台です。
先客はオフロードバイクに乗ったライダーが1名。ライダーはベンチに腰掛けてゆっくり景色を眺めておられます。
はちまき展望台を過ぎると、林道も残りわずかです。
ついに林道・瀞川・氷ノ山線を走破しました。9:19に林道に入ってから約3時間40分。
未舗装区間では1速でのノロノロ走行。そのうえ、写真を撮影しながら休み休み走ったので、林道走破の平均時速は約12km/hとなりました。
林道・瀞川・氷ノ山線の北側の入口です。ちょっとわかりにくいですね。
国道9号線に出ると、立派な標識が設置されていました。
国道29号線から国道9号線に抜けるルートは、比較的上り坂が多くて走りやすかったです。
本日の目的はこれで終了。
この後、国道9号線を南下して県道4号線で日本海へ出て県道11号線(通称:但馬コースタルロード)を通り豊岡に出て帰宅しました。
豊岡に到着してから気づいたのですが、豊岡って夏はすごい暑いんですよ。兵庫県内最高気温を記録したこともあります。
夏にバイクで来るところじゃなかった、とぼやきながら豊岡市内を通り抜けたのでした。
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