本日のルート
宮崎港を出て北上。街路樹にはフェニックスという植物が植えられていて、南国ムードを盛り上げます。
今日は、熊本県にある通潤橋を目指すのですが、大まかなルートとしては、東九州自動車道で宮崎県北部にある延岡まで北上した後、西へ。
熊本県上益城郡 郡山都町にある通潤橋を目指して、国道218号線を走ります。
高速道路を走り切り、道の駅・北方よっちみろ屋で休憩。高速道路を降りてすぐの場所にあって、利用しやすい道の駅です。
暖かい九州と思っていたのですが、高速道路を走るとさすがに寒い!
今日の服装は、肌着、長Tシャツときてプロテクター代わりにメッシュジャケットを着用。その上からワークマンのイージスを着ています。
基本的にはこれで気温には耐えられるのですが、どうも首元の防寒がうまくいってなくて、ここから寒い風が入ってきて、体温を奪っていきます。
高千穂神話街道
道の駅で首回りの防寒具を整え、再出発。
バンディットが走っている国道218号線は、別名「高千穂神話街道」と呼ばれるのだとか。
「高千穂」は、日本神話の聖地として知られている場所ですが、その手前にある宮崎県西臼杵郡日之影町は、日本トップクラスのスペックを持つ、特徴のある橋がいくつも架かっている「橋の聖地」でもあります。
青雲橋
その中の一つである「青雲橋」を通過します。
青雲橋のすごいところは、国道に係る道路橋としては東洋一の規模を誇るそうで、高さ137メートル、長さ410メートルあります。竣工当時は、水面からの高さでいえば日本一だったそうです。
時間があれば橋の欄干から下を見てみたかったのですが、背の高い柵が張り巡らされていて、下を覗き込むことはでき無さそうでした。
橋のたもとには、道の駅・青雲橋があります。
また、青雲橋のある宮崎県日之影町は、高さが100メートルを超える橋がなんと215基!もあるそうです。様々な橋を巡ってみるツーリングってのも面白そうですね。
通潤橋
日本神話の聖地・高千穂を国道であっさりと通過。
なぜならば和休は長年、この目で見ておきたいと思っていたものがあって、それが今日叶うかもしれないのです。
アクセルを握る右手に、知らずと力が入ります。
国道218号線をずんずん進み、熊本県に入っておよそ1時間ほどでしょうか。
ついに目的地である道の駅・通潤橋に到着しました。
通潤橋は、1854年(嘉永7年)、四方を河川に囲まれた白糸大地に農業用水を送るため建設された石造りアーチ水路橋です。
通潤橋公式HPから引用
通潤橋は、ただの橋ではなく、白糸台地に水を送るために造られたものです。
白糸台地は深い谷に囲まれた台地で、火山灰が積もってできた土地のため水はけが大変よく、水をためておくことができません。
この土地で米を作るには、大量の水をどこからか引いてこなければなりませんでした。
そこで、川の上に水路を通し、対岸から水を送るためにできたのが通潤橋なのです。
低いところから高いところへ水を送る必要があったため、逆サイフォンの原理を利用して水を送っています。
また、この橋は石を積んで作られているのですが、「種山石工」と呼ばれる最強の石工集団が協力したことが知られています。
橋を眺めるように建てられているのは、通潤橋の生みの親である「布田 保之助」の像です。
布田保之助は、通潤橋だけでなくこの地域の発展のため、数々の道路や橋や用水路を作った偉人であります。
和休が急いだ理由のもう一つの理由は、通潤橋の観光放水に間に合うためです。
通潤橋は、白糸台地へ水を運ぶために造られたのですが、橋の内部にある水路にたまった泥やゴミなどを掃除するために、橋の中央部から排水する機能があります。
農閑期には観光客向けに放水するイベントがあったのですが、2016年4月に発生した熊本地震で通潤橋も石がずれたりするなどの被害を受けたことにより、通潤橋の使用が中止されました。
さらに修理完了を目前に控えた2018年には、豪雨により通潤橋の一部が崩れるなどの被害を受けました。長い歴史の中で、通潤橋が崩れたのはこれが初めてだそうです。
さらに新型コロナウイルスの流行により観光放水の開始は延期されていましたが、2020年7月、ついに観光放水が再開されることとなったのです。
通潤橋公式サイトの情報によると、今日の観光放水は13:00から。
徐々に人々が集まり始めました。
観光放水
13:00。橋の上で係りの人が排水口の板を取り外すと、勢いよく放水が始まりました。
通潤橋から放水する場面は、写真では何回か見たことがあったのですが、排水口は片側に大小2か所、縦に並んで設けられていて、合計4本の水が弧を描いて川面に降り注ぎます。
観光放水はド迫力!
ものすごい水量が橋から吐き出されています。近くにいるとしぶきで水浸しになります。
この水量・水圧に耐えられるだけの石積みの橋が160年も前に、しかも人の手だけで作られたことに、ただただ驚くばかりでした。
観光放水が終わると、もとの静けさが戻ってきました。
この道の駅には見た目のちょっと怖いくまモンがいるのですが、なんとこのくまモン、杉の葉で作られています。
円形分水
通潤橋に続いて、水路ネタが続きます。
通潤橋の6km上流に、「円形分水」と呼ばれる装置があります。昭和31年に設置されたこの装置は、野尻、笹原地区と白糸台地の間の水の争いに決着をつけるために造られました。
中央にある筒から水が噴き出して、7対3になるように分けられます。その7割が通潤橋を通って白糸台地へと送られていきます。
夢の国行きの始発駅へ
長年の夢をかなえた和休。大変満足して、今宵の宿へ向かうことにしました。
今宵の宿は、熊本県球磨郡多良木町にあります。通潤橋からだとおよそ2時間。高速道路を使って向かうことにしました。
雲の切れ目から、天使の梯子が差し込んできました。この旅は幸先が良さそうです😊
ブルートレインたらぎ
通潤橋を発ってからおよそ3時間。目的地であるくま川鉄道・多良木駅に到着しました。
駅の横に寝台車が置かれています。
かつて「ブルートレイン」と呼ばれ、日本各地を走り回り高度成長期を支えた列車です。
ここ、多良木には、ブルートレインの客車を利用した宿泊施設があります。それが今日の宿「ブルートレインたらぎ」です。
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