皆さん、エンジンオイルを選ぶときは、どのような点に注意して選んでますか?
バイク屋さん任せって方もいるでしょうが、少しの知識を得るだけでバイク屋さんの言っている意味がわかるようになるかもしれませんよ。
以下は、和休がエンジンオイルを選ぶときに調べたものですので、間違いがあったらごめんなさい。
オイルの種類は大きく分けて3種類
まず、オイルの種類から触れていきましょう。
エンジンオイルはその製造過程から「鉱物油(ミネラル)」、「部分合成油(セミシンセティック)」、「化学合成油(シンセティック)」に分かれます。
鉱物油は、原油から精製したエンジンオイルです。安価ですが、耐熱性能や酸化に弱いといわれています。
対して化学合成油は、原油を高度に精製し、分子のレベルで品質を均一にしたエンジンオイルです。耐熱性能や蒸発性に優れているといわれています。
部分合成油は、その名のとおり鉱物油と化学合成油を混合して作られており、鉱物油のデメリットを補うねらいがあります。
どの程度化学合成油が混ぜられているかは、メーカーによって異なるそうです。
SAE規格(オイルの粘度を表す表記)
オイルには、粘度表示があります。
オイルの粘度とはどれだけネバネバしているか、という数値でこれが大きいほどネバネバしている、小さいほど水のようにさらさらしているということになります。
世界中で広く使われている粘度表示は、米国石油協会(SAE)が規格を定めたもので、バイクでは、10w-40という粘度が一般的でしょうか。
かつてのオイルは、シングルグレードといい、温度によって粘度が変化しないものであったそうです。
これに対し、イマドキのオイルはマルチグレードといい、冷えているときはできるだけさらさら、温まるにつれてネバネバするように作られているんですね。
冷えているときというのはエンジンも冷え切った状態を意味しますので、オイルはさらさらしていた方が、エンジンを始動するのに力(→セルモーターの力)が少なくて済みます。
SAE粘度表示にあるwとは Winter の略で、冷えているときの粘度を指し、反対にwのついていない数値が温まったときの粘度を指します。
冷間時の温度は40℃、高温時の温度は100℃と決められています。
API規格(オイルの性能を表す表記)
さて、オイルを選ぶときに知っておきたい規格に、SGとかSLという表記のAPI規格があります。
これは、アメリカの米国石油協会などが共同で定めた規格で、オイルの性能を表します。
ガソリンエンジンはSから始まる(乗用とかスパークプラグを用いたエンジンを指すようです。)表記で、SAからSNまで定められており、A→Nへなるにつれ高性能なオイルです。
JASO規格(このオイルは二輪車向けですという表記)
日本には、二輪車向けオイルの規格にJASO規格があります。
国産バイクの多くは、エンジンとトランスミッションを同じオイルで潤滑しています。
対して四輪車の多くは、エンジンはエンジンオイル、トランスミッションはギアオイルやATFなど専用のオイルがそれぞれ潤滑する構造です。
車に高い環境性能が求められるにつれ、エンジンオイルはエンジンができるだけ抵抗なく回転するようにさらさらに進化していきました。
このようなオイルをバイクに入れると、クラッチが滑るといった不具合の原因となります。
そこで、二輪車用のオイルには専用の規格を設けることとなり、認定されたオイルがMAまたはMBと表記することができます。
和休が選ぶ、DJEBEL200に入れてみたいエンジンオイル
和休のDJEBEL200は、2015年8月に我が家へやってきました。
納車時点の走行距離は、16,604km。先日の美山ツーリングを終えて、17,774kmになりました。
約1,200kmの走行ですが、納車前に交換したオイルは間もなく1年になりますので、交換時期でしょう。
ジェベルのオイル容量は0.85Lと少なめで、空冷エンジンでもあるし、オイルへの負担がかかりやすいようです。
ネット上では、エンジンをガンガン回して高速道路を延々と走ると、オイルがどんどん減っていくなんて言われています。
DJEBEL200の取扱説明書を読んでみると、推奨オイルは、スズキエクスターオイルSG 10W-40とあります。
注意書きに、「クラッチは、エンジンオイルに浸されています。摩擦低減剤を含むエンジンオイルはクラッチの滑りなどの原因となる場合があります。」とあります。
この条件に合致するのがMAグレードのエンジンオイルということです。
和休、GPZ1100には、Kawasaki T-4という部分合成油を主に入れていました。
化学合成油は、その分子レベルまで一定の構造が、逆にエンジンに使用されているゴム材が経年変化でやせてきたとき、その隙間から漏れてくるとも言われています。
それに、化学合成油は、レースなど極限の性能を求める人でないと無駄ではないかと思っていました。
ですが、GPZ1100にA.S.H.の化学合成油を入れてみたところ、鈍感な和休でもわかるぐらい、シフトフィールがカチッとしました。
上等なオイルを入れてもこのぐらいしか感想を述べることができない自分の感覚にガッカリですが、心配していたエンジンオイル漏れもなく(GPZ1100は一度エンジンからオイル漏れを起こしました。)、安定した性能を長く保つならば、少々高くても化学合成油を入れる価値があるかな、と思いました。
市販品もレース用と同等のクォリティを IPONEオイル
和休が今、試してみたいオイルの一つです。
日本ではあまり知られていないメーカーですが、ヨーロッパで生まれたIPONE(イッポン)オイルです。
和休は、樹生和人さんのブログ『風のV7』、『聖地巡礼-バイクライディングin北海道-』でこのオイルを知りました。
IPONEオイルは、札幌のバイク屋さん「ZOOM(ズーム)」さんが日本の代理店となっています。
ZOOMの社長さんは自身が納得できる性能のオイルを求め、フランスに渡りこのオイルを日本へ持ってきてくださいました。
和休もGPZ1100に乗っていた頃に一度入れてみたいと思っていましたが、残念ながらその機会はありませんでした。
樹生さんのインプレッションによると、熱に強い特徴があるようで、空冷でオイル量の少ないDJEBEL200にはぴったりではないでしょうか。
では、IPONEのどのオイルを選ぶかですが、オフロード車向けオイル KATANA OFF ROADという商品があります。化学合成油で粘度は10w-50と硬めのオイルで、かなり本気でオフを走る方向けのように思えました。
そこで、部分合成油になりますが、和休が目を付けたのがR4000RSというオイル。排気量を問わず最高の性能を発揮してくれるようです。
お値段は1L 2,916円。ホームセンターで簡単に入手できるHONDAのULTRA G2 と比べると3倍近くしますが、うーん一度試してみたい。
コメントをどうぞ!
やすおさん、こんばんは。
好きなビールはあるんですが、じゃそのビールは、一番搾りやスーパードライと味がどう違うの?と聞かれると返事に困ります。
オイルの違いもそんな感じです…
とても参考になりました。オイル判る人には判る!
一番搾りとスーパードライの違い????
byやすお
樹生さんこんにちは。コメントありがとうございます。
使ってみないとわからないですよね。
和休は、いつも中程度の価格帯から選んでいたので、そのあたりのオイルとどう違うか試してみたい気持ちです。
高価といっても、DJEBEL200には1Lぐらいしか入らないので、いろんなオイルを試してみるのも面白そうです。
和休さん、樹生です。
オイルに関しては、使ってみなければわからないですし、人それぞれ感じ方も違うので、一概に言えないのですが、IPONEに関しては、ZOOMさんは相当の自信があるようです。
事実、私のGPZ1100も12万キロ以上をエンジン本体にはトラブルなく、一度もヘッドすら開けないで過ごせたわけですし、17万キロ以上走行のスーパーブラックバードのお客さんの例もあります。
今、私のV7に入っているのは、「FULLPOWER KATANA10W60」ですが、オイル漏れ、にじみ等はまったくありません。
電話で直接ZOOMさんに聞いてみるのもいいかもしれません。(あまりセールストークの得意な方ではないですが、とても誠実な方です。)
高いものですし、他のオイルがだめだとは私は思わないので、あまり強くお勧めはできませんが、私の場合は、とてもよかったと思っています。(^^)