先日、このホームページから「妻とタンデムでツーリングするならば、バンディット1250SとV-Strom650とどちらがおすすめでしょうか?」というご質問をいただきました。
そこで、非常にニッチな情報ですが、この方と同じようにバンディットとVストで迷われている方に向けて、両車に対する和休の感想をまとめてみました。
なお、両車ともツーリングは得意分野のバイクなので、かなり悩みながら比較しております。
で、結論から申し上げますと
和休のオススメは、総合的に考えてV-Strom650です。
ですが、高速主体のツーリングをされるなら、バンディット1250Sの方がおすすめですね。
では、具体的に比較していきたいと思います。
まずはスペックから
バンディット1250S 2007年式 | V-Strom650 2018年式 | |
---|---|---|
型式 | GW72A | 2BL-C733A |
全長 | 2,130mm | 2,275mm |
全幅 | 790mm | 835mm |
全高 | 1,235mm | 1,405mm |
軸間距離 | 1,480mm | 1,560mm |
最低地上高 | 135mm | 170mm |
シート高 | 790mm/810mm | 835mm |
乾燥重量 | 229kg | - |
車両重量 | 252kg | 212kg |
燃料消費率 (定地燃費値) | 27.0km/L (60km/h) | 35.5km/L (60km/h) |
最小回転半径 | 2.8m | 2.7m |
エンジン型式 | W705 水冷 4サイクル 直列4気筒 | P515 水冷 4サイクル 90°Vツイン |
弁方式 | DOHC・4バルブ | DOHC・4バルブ |
総排気量 | 1,254cm3 | 645cm3 |
ボア×ストローク | 79.0mm×64.0mm | 81.0mm×62.6mm |
圧縮比 | 10.5 | 11.2 |
最高出力 | 74.0kW(100PS)/7,500rpm | 51.0kW(69PS)/ 8,800rpm |
最大トルク | 107Nm(10.9kgf・m)/3,500rpm | 61Nm(6.2kgf・m)/ 6,500rpm |
燃料供給装置 | フューエルインジェクション式 | フューエルインジェクション式 |
始動方式 | セルフ式 | セルフ式 |
点火方式 | フルトランジスタ | フルトランジスタ |
潤滑方式 | ウェットサンプ式 | ウェットサンプ式 |
潤滑油容量 | 3.7L | 3.0L |
燃料タンク容量 | 19L | 20L |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | 湿式多板コイルスプリング |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | 常時噛合式6段リターン |
変速比 | 1速 3.067 2速 2.058 3速 1.550 4速 1.304 5速 1.160 6速 1.071 | 1速 2.461 2速 1.777 3速 1.380 4速 1.125 5速 0.961 6速 0.851 |
減速比 (1次/2次) | 1.537/2.227 | 2.088 / 3.133 |
フレーム形式 | ダブルクレードル | ダイヤモンド |
キャスター/トレール | 25°20′ / 104mm | 26° / 110mm |
ブレーキ形式 (前/後) | 油圧式ダブルディスクABS / 油圧式シングルディスクABS | 油圧式ダブルディスクABS / 油圧式シングルディスクABS |
タイヤサイズ (前/後) | 120/70ZR17M/C (58W) / 180/55ZR17M/C (73W) | 110/80R19M/C (59V) / 150/70R17M/C (69V) |
舵取り角左右 | 35° | 40° |
乗車定員 | 2名 | 2名 |
サイズ感
バンディット1250S
- 1250ccという排気量からイメージすると、コンパクトな車体。
- 教習車でおなじみのCB750ぐらいの感じ。
- 機器がギュッと詰まった重厚感あふれる見た目。
- 車体カラーが地味。
V-Strom650
- リッターオーバーのバイクが横に並んでも見劣りしない車格。
- ただし、燃料タンクが横に広くエンジンがスリムなので、下部に行くほど細くなる印象。とくにXTではないモデルはアンダーカウリングが無いので、スカスカ感が強い。
- XTモデルは派手な車体カラーが用意されているが、そうでないモデルは地味な印象。
取り回し
バンディット1250S
- 教習所で大型自動二輪車の取り回しができた方なら大丈夫。
V-Strom650
- バンディットよりも軽いものの、燃料タンクが大きいため重心が高く、取り回し中に思わずグラっとなることも。
- 地面からのハンドル位置が高く、ハンドル幅も広いので、ハンドルを左いっぱいに切ると、体格によっては右手が届かなくなることも。
- 上記の取り回しやシート高(835mm)から、ライダーの身長は170cm以上を要求してくる。
装備
バンディット1250S
- シート下は、ほとんどものが入らない。
- シートは2段階の高さ調整が可能(ライダー側のみ)。
- タンデムシートは広く、座りやすい。V-Strom650に比べるとシートは硬め。
- 純正でトップケース、パニアケースが用意されている。純正のパニアはGivi V35同等品、純正のトップケースは、Givi E370同等品。
- 社外品のパニアケースステーは、Givi製が存在する。
- 電子制御は、ABSのみ装備。
- ウインカーポジションシステム装備。
- 灯火類は、すべて電球。
- タコメーターはアナログ、スピードメーターはデジタル。
- バックミラーはカウルマウント。見やすい。折り畳み可能。
- センタースタンド標準装備。
V-Strom650
- シート下は、ほとんどものが入らない。
- オプションでローシート、ハイシートが用意されている。
- シートは肉厚で座り心地が良い。
- タンデムシートは広く、座りやすい。
- V-Strom650はシート高が高いものの、バイク上からの眺めが良い。タンデムシートはライダーより高い位置にあるので、さらに見晴らしが良い。
- 純正でトップケース、パニアケースが用意されている。
- Giviなど社外品のパニアも豊富。ただし、国内の取り扱いは少ない。
- 電子制御は、ABS、トラクションコントロール、ローRPMアシスト(低速走行時、エンジン回転をわずかに上げる)を装備。
- 灯火類は、テール&ストップランプを除いて電球。
- バックミラーはハンドルマウント。左右で高さが違う。見やすい。
- センタースタンドはオプション。純正品、社外品が存在する。
計器類
バンディット1250S
- タコメーターはアナログ、スピードメーターはデジタル。
- その他の計器は燃料計、オドメーター、トリップメーター×2、時計。
- ABS、FI、油圧、水温の警告灯。
- ウインカー、ニュートラル、ハイビームのインジケーター。
- メーター照明はオレンジ色。
V-Strom650
- タコメーターはアナログ、スピードメーターはデジタル。
- その他の計器は燃料計、オドメーター、トリップメーター×2、時計、外気温計、水温計、瞬間燃費計、平均燃費計、航続可能距離計、電圧計、トラクションコントロールシステム表示。
- ABS、FI、トラクションコントロール、油圧、水温の警告灯。
- 油圧、水温の警告表示。
- フリーズインジケーター(外気温が3℃以下のとき点灯)。
- ウインカー、ニュートラル、ハイビームのインジケーター。
- メーター照明は白色。
走ってみると
バンディット1250S
- 1250ccの排気量から発揮されるトルクで、高速道路は余裕の一言。
- 車体がコンパクトなので、体が大きい人には窮屈感があるかも。ステップ位置が高く感じる。
- 燃費は20km/L程度、満タン(19L)からの航続距離は約350km程度(17.5L×20km)。
- お財布に優しいレギュラーガソリン仕様。
- 直列4気筒のエンジンサウンドが心地よい。
- 60km/hで6速ギアが使用できるトルクの強さ。
V-Strom650
- 大型バイクなので二人乗りでも余裕はあるものの、高速道路の余裕感はバンディットの方が上。
- 大柄な車体なので乗車姿勢はゆったり感あり。
- バンディットに比べるとスロットルの保持に力が必要。スロットルの戻りが強く感じる。
- バンディットに比べると全ての操作感が軽い。
- 燃費は25km/L程度、満タン(20L)からの航続距離は約450km程度(18L×25km)。
- お財布に優しいレギュラーガソリン仕様。
- Vツインのエンジンサウンドは巡行時に独特のリズムを奏でる。
- 和休の場合、下道はほとんど4速ギアまで。5速ギアは60km/h以上、6速ギアは80km/h以上の巡航速度のときに使用する。
- エンジンブレーキが強い。少々のワインディングロードは、アクセルワークだけでこなせる。
- 路面状況にもよるが、オフロードは見た目ほど得意ではない。
- 舗装されていれば、荒れている路面でも快適に走行できる。
整備性など
バンディット1250S
- カウルを外すのは比較的簡単。ただしパニアステーが付いていると手間がかかる。
- カウル内部は機器が詰まっていて、内部の余裕はあまり無い。
- オイルエレメント周りは最低の空間しかなく、オイルエレメント交換にコツを要する。
V-Strom650
- バンディットに比べるとオイル量が少なく、タイヤが細いなど維持費が安い傾向にある。
- フロントのカウル内部は、空いている空間が多い。
- カウルを外すのは手間がかかる。
その他
- フェリー代は排気量750ccで料金が分かれていることが多いので、V-Strom650の方が安くなることが多い。
- バンディットは2016年頃に生産中止なので、あと数年すると徐々に補修部品に欠品が生じる可能性が高い。特にパニアステーなど専用の社外品の入手が困難になる恐れがある。
- V-Strom650にはゴテゴテとオプション品を付けたくなる。また、それが似合う。
以上、思いついたままにダラダラと書き連ねてみました。気が付き次第、書き足していこうと思います。
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