June 25, 2017 雨の試乗会で記事にしたとおり、スズキ ファンRIDEフェスタ 2017 四国会場で、V-Strom650 2017年モデルに試乗してきました。
スズキ ファンRIDEフェスタ 2017
会場に到着して受付を済ませました。試乗までには時間があったので、V-Strom650 をじっくり眺めることができました。
こちらが、今日試乗できるV-Strom650 です。スポークホイールを装備した V-Strom650 XT という車種になります。
2017年モデルは外装を一新し、V-Strom1000と同じような外装になりました。初代からの特徴であった横2灯のヘッドライトからSuzukiに多い縦2灯のヘッドライト、そして「クチバシ」が装備されました。
アドベンチャーモデルは各社採用している「クチバシ」は、Suzukiのビッグオフ DR-750、DR-800が発祥とされています。
オフ車の特徴である上に取り付けられたフロントフェンダーのイメージですね。V-strom650には、タイヤのすぐ上にもフェンダーが装備されているので、飾りということになります。
DR-750が発表されたときは大きな反響があったそうですが、最近では各社採用してきているので見慣れた感があります、というかアドベンチャーモデルならこのデザイン、という感じですね。
2017年モデルの概要
お値段(メーカー希望小売価格、税抜)は、素のV-Strom650 が840,000円、V-Strom650 XTが880,000円。
V-Strom650 XTが素のV-Strom650 と異なっている点は、スポークホイール、エンジンアンダーカウル、ナックルカバーが標準装備されていることです。
ちなみに、素のV-Strom650 はスポークホイール以外の装備をオプションで追加することができるようになっています。
SuzukiのHPで価格を調べてみたところ、エンジンアンダーカウル 22,000円、ナックルカバー 5,300円でした。価格は、税抜、本体価格のみ(取付工賃含まず)です。
また、V-Strom650は、このモデルから3つの電子制御が搭載されています。
Advanced Traction Control System
V-Strom1000と同様のトラクションコントロールシステムが搭載されました。介入度は2段階で選択することができ、オフにすることもできるようです。
Low RPM Assist
大排気量のVツインエンジンは、低回転がちょっぴり苦手な性格です。市街地の渋滞で低回転を使ってそろそろ進むような状況で、突然エンジンストップすることがあります。
Low RPM Assistは、このような状況に陥ったとき、バイクが自動的に判断してエンジン回転を少し上げ、エンジンストップしにくくする機能です。
Suzuki Easy Start System
エンジン始動は、キーをONにし、クラッチを握った後、スターターボタンを1回押すだけで済みます。
これまではスターターボタンを押下している間だけスターターが回る仕様でしたが、Suzuki Easy Start Systemを搭載したバイクは、スターターボタンを1回押すだけでバイクが自動的にスターターを起動しエンジンを始動させます。
さて、いつもどおりフロントからじっくりと拝見しましょう。
V-Strom650 2017年モデルの細部
フロントタイヤ
フロントタイヤは19インチ。XTはチューブレスのスポークホイールを装着します。
サイズは、110/80R19M/C 59V。試乗車は、ブリヂストン BATTLAX ADVENTURE A40 を履いています。
一般的には、スポークホイールは、ハブに引っかけたスポークがホイールのリムにねじ込まれている構造上、チューブが必要です。
すでにYAMAHA セローのリアタイヤなどで採用されているのですが、チューブレス対応のスポークホイールが存在します。これは、ハブとリムの取付方法を逆にし、リムに引っかけハブにねじ込むという構造にすることでリムの気密性を保つことができ、チューブレスタイヤが履けるようになっています。
これは、DJEBEL200 のスポークがリムにねじ込まれている部分のアップです。ニップルという部品が、リムとスポークを接続しています。
適当な写真が無かったので、Vesys250のリアタイヤです。スポークが生えている部品がハブです。スポークの先端を引っかけるような構造になっています。
ヘッドライト
ハヤブサ、GSX-R1000、V-Strom1000というSuzukiの各カテゴリーのフラッグシップモデルは縦2灯のヘッドライトが装備され、イメージの統一を図っています。
今回モデルチェンジしたV-Strom650も、縦2灯になりました。上がロービーム、下がハイビーム、そして一番下にポジションライトが装備されています。
ハイビームに切り替えてもロービームは点灯したままなので、近くから遠くまでまんべんなく照らしてくれることでしょう。
先代モデルは横2灯が同時に点灯していたので、横への広がりはおそらく狭くなったのではないか、と思うのですが、実際はどうなんでしょうか。
LEDやHIDではなく、ハロゲンバルブが装備されています。
その他、ウインカーはクリアレンズになっています。
インスツールメントパネル
モデルチェンジに伴い、メーターデザインが一新されました。こちらもV-Strom1000のデザインを踏襲しています。
一緒に写っているスクリーンですが、先代モデルに比べ高さが9cm大きくなりました。
V-Strom1000の角度可変機構は省略されていますが、ねじ止めの箇所を変更することにより、3段階にスクリーン位置を変更することができます。
こちらはSuzukiのHPから引用しました。
デザインは大きく変わりましたが、表示される内容はほぼ変更なし。新しく搭載された、トラクションコントロールの介入度の表示が追加されました。
こちらは、前モデルのメーターです。
こちらはSuzukiのHPから引用しました。
メーターパネルの左下には、12Vのソケットが装着されています。
和休、いつも思うんですが、これって雨が降ったら使えないのでは?と思うのです。バイクメーカーは、雨でも使えるようなコネクターを規格化してくれたらいいのに、と思うんですがねぇ。
バイクだけでは需要が、ということなら船舶部品メーカーも巻き込んでは、と思います。もともと防水の12Vソケットは、船の部品をバイクに流用したものですから。
また、12Vの使い道としては、ナビや音楽の再生させるためスマホを接続すると思いますが、スマホ側も雨に強い給電方式(Qiのようなワイヤレス給電?)が普及したらいいのに、と思います。電圧も12Vでなく、5Vでもいいんじゃないでしょうか。その代り、2Aぐらいは余裕で流せるようなものを…
電装メーカーとスマホメーカーの皆さん、一つよろしくお願いします!!
さて、横道にそれましたが、続いてハンドルまわりです。
ハンドルまわり
左ハンドルスイッチボックスのアップです。
トラクションコントロールとメーター表示切替の操作用スイッチが設置されました。大型のスイッチなので、グローブをしたままの操作もばっちりです。
右ハンドルスイッチボックスのアップです。前モデルでは左ハンドルにあったハザードスイッチが右ハンドルへ移設されています。
ミラーのデザインは、前モデルやV-Strom1000と同様のもの。若干球面になっていて広く映ります。
エンジン
エンジンの左サイドです。エンジンそのものは、SV650の登場にあわせ若干チューニングが変更されているようです。
また、前モデルではリコールになりましたステーターコイル付近は、熱対策なのでしょう、騒音対策のため国内仕様のみ装着されていたカバーがなくなっています。
車体後部
リアタイヤ付近です。
リアタイヤのサイズは、150/70R17M/C 69V。フロントと同様、ブリヂストン BATTLAX ADVENTURE A40 を履いています。
VERSYSには装着されていたリアハガー(リアインナーフェンダー)は装着されていません。
ま、このへんは何種類か社外品が出ているので、お好みのものを、ということなのかもしれません。
ちょっと引いたところから全体像を。リアキャリアが銀色なのは、ちょっと浮いているように思えます。黒色で良かったのではないでしょうか。
燃料タンクは前モデルから20Lの容量は変わらないものの、プラスチックのカバーが撤去されました。
先代は、プラスチックのカバーがあったせいで磁石式のタンクバッグが装着できなかったのですが、この改良によりタンクバッグが選びやすくなりました。
反対側です。リアサスのプリロードアジャスターは前モデルと同様、回しやすいところにあります。
車体後端
テール・ストップライトは、V-Strom1000と同様のデザインになり、LEDになりました。
ウインカーやナンバー灯は電球を使用しています。
また、前モデルでは上に跳ね上がっていたマフラーの位置が下がりました。V-Strom1000と同デザインのパニアケースが純正で用意されています。
マフラーが下に下がった分、スリムな感じを受けます。
このバイクを選ぶ人は、パニアとトップケースを装着しそうですが、ロープやネットでによる荷物の固定も考えられており、キャリア下に荷掛フックが4か所、タンデムステップにもロープを掛けることができ、きちんと固定することができそうです。
試乗
ぱしゃぱしゃと写真を撮っている間に、試乗の時間になったようです。
わくわくしながらV-Strom650の側に立ちます。和休の身長は175cm。シート高835mmという数値なので、デカイバイクだな、という印象。
でも大型バイクにしては、215kg(ガソリン、オイルなどをいれた総重量)とそんなに重くないことから、跨ってしまえば大丈夫でしょう。Vツインエンジンのおかげで横幅はスリムに仕上がっていますし、シートの形状も足つきが考慮されています。
実際、和休より小柄な女性も試乗されていましたよ。
「いや、私は体がガチガチで…」と心配な方(あ、和休もガチガチです。)は、一度左ステップに乗ってそこからバイクをまたぐ、という方法があります。この方法で乗車された方もいらっしゃいました。
さて、係りの方から「エンジン掛けてくださ~い」という声がありましたので、エンジンを始動します。
Suzuki Easy Start Systemを試してみるべく、スタータースイッチを軽く一度ポチッと押したところ、先ほどまでエンジンがかかっていたこともあって、きゅるんという短いクランキングであっさり始動しました。
先導車がスタートします。さぁ和休もというところで、なんとエンストこいてしまいました。
言い訳ですが、和休のDJEBEL200はクラッチが繋がる位置が遠く(握り切ってから半分以上レバーを戻したところで繋がり始める感じ。)、また、和休、クラッチが繋がり始めてからアクセルを開けるという癖があるんです。
V-Strom650は、クラッチレバーを握り切ってから少し戻した辺りから繋がり始める感じでした。また、Vツインエンジンは極低回転であっさりエンストしてしまうことが多いそうです。
そんなこんなで、早々にエンストしてしまったのですが、集団にあまり迷惑をかけずに再スタートできました。
HST四国に設定されたコースは、1週約400mぐらいの左回りのコース。スタートして長めの直線、90°左のコーナー、短い直線、大きく270°の左コーナー、右→左のS字、短い直線、90°左のコーナー、スタート位置というレイアウト。
V-Strom650のアクセルの反応はよく、思った分だけ加速してくれます。さすが大型バイクだけあって、低回転からスルスルと加速していきます。スポークホイールを装着するXTだからでしょうか、乗り心地も若干ソフトになったように思います。
コーナー前でのブレーキの感じも、ちょうどいい効き具合で減速してくれます。右→左のS字は、高いところを通り越すように「よっ」という感じでバンクを切り替えます。
この辺は純粋なオンロードバイクよりゆったりした挙動に感じました。
ああ、あっという間に2周が終わってしまいました。
以前の試乗でも感じたのですが、このバイク、一度走り出したら延々走り続けてしまうような操作感と乗り心地です。名残惜しい気持ちでエンジンをオフにしました。
そうそう、今日の試乗は残念なことに雨でしたが、ノーマル位置のスクリーンでもヘルメットへの雨の直撃は減少し、体への風や雨が当たる感じも少なくなったとはっきり感じることができました。
和休、メーカーとしては地元でもあるKawasakiが好きなんですが、やはり試乗してしまうと心を持って行かれてしまいますね。今日も「これ、つつんでください。」って言いだしそうになりましたわ。
おまけ XTではないV-Strom650
試乗はできなかったのですが、XTではないV-Strom650が展示されていました。
V-Strom1000と同デザインの10本スポークのキャストホイールを履きます。
あれ、今気づいたのですが、このタイヤは、V-Strom1000が履いている ブリヂストン トレイルウイング TW101ですね。標準装着タイヤはXTと同様、BATTLAX ADVENTURE A40 との情報だったのですが。
XTではないモデルは、エンジンアンダーカウル、ナックルカバーがありません。
とくにエンジンアンダーカウルがないと、えらくあっさりした感じになりますね。
同じエンジンを搭載する SV650です。
おんやぁ~エンジンのサイドカバーが黒色ですねぇ。Vストに流用できるのでは…
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