呼ばれないと行けない神社!?
奈良の山深きところ、伝説の神社があるという。
曰わく、「神様に呼ばれた者だけが訪れる事ができる。」、「お参りする時機でないと訪れる事さえできない。」。
時機で無い者が訪れようとすると、急な予定が入ったり、様々な困難が起こり、神様のもとへたどり着くことはできない。
これを聞いて和休は、神様がそんなふうに人をより分けるようなことをするんかいな、と思ってました。
10月下旬。今週末はツーリング日和が予想され、うまいことに家の用事もない。こんなときは、ツーリングに出掛けるしかないでしょう。ふと件の神社のことを思い出し、お参りしてみようと思ったのです。
その神社とは、天河大辨財天社(以下、「天河神社」といいます。)。
和休がこの神社のことを知ったのは、1993年の映画「天河伝説殺人事件」でした。
結局映画は見ずじまいで原作の本の方を読んだのですが、そのときから天河神社に興味を持ち、色々と調べるようになりました。
天河神社のある天川村には、何度か訪れたことはあるのですが、天河神社に行こうと思ったのはこれが初めて。
天河神社は奈良市から近鉄電車で約1時間、最寄り駅である近鉄下市口駅から1日数本しかないバスで、さらに1時間を要する山深きところにあります。
本気でお参りしたい気持ちがないと訪れることはできません。
そこで、下調べをしようと天川村のホームページを見ると、なんとその日は「天川村もみじ祭り」の開催日でした。
以前、たまたまこの祭りの日に天川村を訪れたことがあるのですが、かなり人が訪れるので、いつもの天川村と違って賑やかな雰囲気になります。
静かな雰囲気に浸りたかったので、初めは何だかなぁと思ったのですが、年一回のお祭りだし、せっかくだから行ってみようという気分になったのです。
ところが、急に用事が飛び込んできて、ツーリング計画は白紙に。次の機会に持ち越しとなりました。
押しかけるぐらいの勢いで
11月23日、ひょんなことで6時間ぐらいの時間が空くことになりました。
天河神社に改めて訪れるチャンスがめぐってきました。天川村は冷涼な地域にあるので、これを逃すと今年のうちにバイクで天河神社を訪れるのは難しくなります。
天気予報を見ると、天気はいいのですが、最高気温8℃・最低気温0℃とかなり寒くなる予報がでています。
さすがに止めとこうかと思ったのですが、「本当に呼ばれているなら無事たどり着けるはず!」と根拠のない勢いのもと、決行することにしたのでした。
いざ、天河神社へ
10:16に神戸市内の自宅をスタート。
普段なら朝早く出発し、混み合う前の市街地を抜けてツーリングへと向かうのですが、今日はやむを得ず遅めの出発となりました。
阪神高速を妙法寺ICから三宅ICまで利用し、市街地をパスしようとしたのですが、あいにく阪神高速もジャンクションごとに渋滞が発生していました。
サンデードライバーが多いのでしょうか、和休を見落として車線変更してくる車や、渋滞の列に合流しようとするもなかなか合流できず、あきらめて戻ってくる車、妙に車間距離を詰めてくる車たちが和休を襲います。
イライラMAXのまま、なんとか無事に三宅ICに到着。ここで阪神高速を出て国道309号線で天川村へ。
奈良県に突入する直前、道の駅「ちはやあかさか」でトイレ休憩。ここから奈良県御所市までは山越えの道になります。
県境の水越峠をトンネルで通過し、奈良県に入りました。
混み合う御所市、下市町の市街地を車列に従ってゆっくり進み、天川村の手前にある道の駅「吉野路 黒滝」に到着したのは、13:15でした。
ここでは、名物のこんにゃくを食べましょう。
たかがこんにゃくと思うでしょうが、少しピリ辛で、しっかり味がしみ込んでいて、アツアツでたまらないんです。ここへ来たら必ず食べてしまいますね。
大鍋でくつくつと煮込んでいるのですが、こんにゃくを鍋に投入するときはお店側に入れていくので、よーく味がしみ込んでいるのはお客さん側なんです。
購入する際は、一番手前のこんにゃくをピックアップしてくださいね。
さらに道の駅の中をウロウロしていると、ぼたん鍋の屋台を見つけました。
一杯500円。和休がよっぽど寒そうに見えたのでしょうか、大盛りにしてくれました。
お腹が減っているので、体の隅まで染み渡るように温まっていきます。
道の駅で体の内側からしっかり暖まったら、天川村へ向けて出発です。
天河神社に到着!
14:00ちょうど、天河神社に到着しました。
駐車場にBandit1250Sを止め、正面へまわります。
やっと、たどり着きました。静けさもあって、なんとなく入りづらい雰囲気を感じます。
かつてはひしゃくを吹っ飛ばすほどの勢いで水が出ていたそうです。
拝殿の前には、神様が祀られています。
これは、「磐坐」といい、神様が住まわれるところと言われています。
では、階段を登って本殿に入ります。
これが、天河神社の五十鈴です。
一般的な神社には鈴が吊られていますが、ここには五十鈴が吊られています。
五十鈴の由来はこちら
五十鈴(いすず)は、天河大辨財天に古来より伝わる独自の神器で、天照大御神が天岩屋戸にこもられたとき、天宇受売命(あめのうずめのみこと)が、ちまきの矛(神代鈴をつけた矛)をもって、岩屋戸の前にて舞を舞われ、神の御神力と御稜威をこい願われたことによって、岩屋戸が開かれ、天地とともに明るく照りかがやいたという伝承に登場する、天宇受売命が使用した神代鈴と同様のものであると伝えられています。
特に芸能の世界にいあっては天宇受売命にあやかって、殊の外御精進あそばされる方々(俳優、舞踊、歌手、ラジオ、テレビタレントなど)は、同床共殿のあり方と精神にてこれを奉載され、この三魂(みむすび)の調和統一に意を用いられ、芸能技芸練達の器教とされますことを切に祈るものであります。
この五十鈴の特徴的な三つの球形の鈴は、それぞれ、
●「いくむすび」
●「たるむすび」
●「たまめむすび」
という魂の進化にとって重要な三つの魂の状態(みむすびの精神)をあらわしています。
この五十鈴の清流のような妙なる音の響きによって、心身は深く清められ、魂が調和し本来あるべき状態に戻り、新たな活力が湧いてきます。
特に芸術・芸能の世界で精進される方々(俳優、舞踊、歌手、ラジオ、テレビタレントなど)が、天宇受売命の故事にあやかり、これを奉載され、この三魂(みむすび)の調和統一に意を用いられ、芸能技芸練達の器教とされております。
天河神社のHPより引用しました。
五十鈴を上手に鳴らすには、綱を前後に振るのではなく、ぐるぐる回すのがコツです。ゴロゴローンとかボワワーンとか、想像と違って変わった音がします。
お参りしてみてどうだった?
天河神社を後にして、また道の駅「吉野路 黒滝」に戻ってきました。
道の駅であつあつのぜんざいを食べながら、天河神社のことを振り返りました。
なんとか大小の障害を乗り越えてお参りできたのですが、お参りしてなにか感じることができたかといいますと、境内に入ってからなぜかあれこれ考えることができなくなりました。
足の向くまま境内をうろうろし、いくつか写真を撮り、五十鈴を購入して。
何か得たものがあったかどうか、今はよく分かりません。
ただ、寒かったこともあって、神社を訪れる前に想像していたとおり、凛とした雰囲気に浸れたツーリングでした。
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