おはようございます。現在の時刻は6:58。バンディットの様子を見に行くと、夜露に覆われてしまっています。
こんなこともあろうかと、こんなものを用意していました。これは、カインズホームで購入した水切りセームという商品で、めちゃくちゃ吸水性の良い布です。
ケース内ではカチカチに乾燥した状態で入っていますので、少し水を含ませて柔らかい状態に戻してから使用します。
水切りセームでバンディットを拭きます。柔らかいので傷もつきにくく、おすすめです。
7:30。バンディットのエンジンを始動しました。盛大に湯気が上がっています。
楽しかったブルートレインの宿ともお別れです。九州に来る時にはまた寄りたいですね。
本日のルート
本日のルートは、国道221号線を使って鹿児島へ抜けます。途中、ループ橋を通過します。
鹿児島へ出たら、本土最南端目指して一気に南下。
ライダーは先端を目指す、の格言通り、先っちょを目指し、鹿児島県の大隅半島にある佐多岬が今日の目的地です。
国道221号線 人吉ループ橋とえびのループ橋
多良木から人吉へでて、国道221号線を南下。熊本県と宮崎県の県境は難所として知られる加久藤峠(堀切峠ともいいます。)。
この難所を、2つのループ橋で越えていきます。
2重ループ橋で、一気に高度を稼ぎます。
これが県境を越える「加久藤トンネル」です。
長いトンネルを出ると、なんとも素晴らしい景色が出迎えてくれました。
宮崎県側がえびのループ橋。こちらも大きい円を描いて、高度を下げていきます。
目の前には、えびの高原などがある霧島連山が横たわり、最高峰である韓国岳(標高1,700m)が見えてきます。山頂から韓国まで見える、と言われ、名前の由来になっています。
道の駅・えびので一息入れたら、九州道と東九州道に飛び乗り、一気に南下。最南端を目指します。
道の駅・根占
道の駅・根占で休憩。ここは、錦江湾の対岸、薩摩半島にある富士山のようにすらっとした山、開聞岳がきれいに見えます。
佐多岬公園線
高速を降りてから国道269号線をたどり、いよいよ佐多岬への最終アプローチである「佐多岬公園線」の入口に到着しました。
かつては有料道路であったそうですが、現在は大隅町が管理する町道になっており、無料で通行できます。
佐多岬公園線の入口にはゲートが設けられていて、これから最南端へ向かう雰囲気を、最高に盛り上げてくれます。
佐多岬公園線は、片側1車線の道路が続いています。
段々と、道の横に生えている植物の種類が変わってきました。南国ムード満点です。
極めつけはこれ。ガジュマルという木のトンネルを、いくつも潜り抜けます。
佐多岬公園線の中ほどに、岩崎トンネルがあります。ここだけは1車線となっています。
岩崎トンネルを抜けると、海が見えてきました。海の色も南国です。
ついに北緯31度の碑が見えてきました。佐多岬まであと少しです。
そして、ついに
2021年11月25日 13:00。佐多岬の駐車場に到着しました!!
本土最南端・佐多岬
佐多岬の駐車場のシンボル、ガジュマルの木です。幾度となくパソコンの画面で見た風景が、今、まさに目の前に存在しています。
駐車場から佐多岬の展望台までは約800mほど歩く必要があります。しかも、その道のりは平坦ではありません。往復1時間程度は見ておく必要があります。
半島の中央部にあるのが展望台。
半島の先端にあるのが佐多岬灯台です。一般人が訪れることができるのは、展望台までです。
では、準備を整えたら、このトンネルを潜り抜け、最南端へ向かいましょう。なんだか、遊園地のアトラクションのようなワクワク感があります。
整備されているものの、アップダウンのある遊歩道をてくてくと歩き、展望台にやってきました。
最近建て替えられたらしく、きれいな建物です。
展望台から、開聞岳が見えました。
佐多岬展望台には、佐多岬の碑がいくつかあるので記念撮影には事欠きません。どこの碑からも絶景を残すことができます。
佐多岬灯台は、岬からもう少し沖にある小島の上に建っています。灯台関係者以外は立ち入ることができないのだとか。
最南端の海の色は、まさに南国のそれ。なんともいえない美しいブルーです。
風間深志氏の言葉
話は前後しますが、和休は、2022年9月16日に開催された「セントラル琵琶湖ツーリングラリー」の前夜祭に開催された、冒険家・風間深志氏のトークショーに参加したのですが、そこで風間氏がライダーを佐多岬に招待するイベントを開催したときの裏話をしてくださいました。
「ただ、最南端にくるだけだけれども、そこへ実際に来て、南にいることを噛みしめてほしい。」
要約するとこのようなことをおっしゃったのですが、バイクで北極点・南極点に到達された方の言葉としては、非常に深く重みのある言葉でした。
このとき、和休も佐多岬を訪れた経験があったので、この言葉に非常に感動したものです。
これは、佐多岬駐車場にあった、日本本土四極の地図。和休は宗谷岬、納沙布岬、佐多岬を訪れました。残すは長崎県・神崎鼻。
ですが、宗谷岬はレンタカーで訪れたものなので、ライダーとしては是非とも愛車に乗ってそこを訪れたい。
四極を制覇した者は、証明書を受けることができます。ツーリングライダーとして、是非この四極は訪れたいものです。
77,777km到達
佐多岬を出発して、今日の宿のある鹿児島県・鹿屋市へ向かいます。大隅半島の太平洋側の道は、道幅も広くて景色も良く、また訪れたい道となりました。
西に傾いた太陽が照らす海岸沿いの道を走行中、あるイベントが発生しました。
愛車バンディット1250Sの走行距離計が、77,777kmに到達したのです!
普段、ツーリング中はトリップメーターを表示しているので、オドメーターのキリ番とか並びとか全く気にしないのですが、佐多岬を出発するときに何の気なしにオドメーターに切り替えてみたら、あと少しで7並びではありませんか。
和休のバンディットは2019年5月に購入。購入時の走行距離は66,486kmでしたので、まだ1万キロ少々の付き合いなのですが、これも何かの縁だろうということで、7が並ぶまでそろりそろりと走行。
ちょうど、バイクを止めることができる場所もあり、めでたく撮影に成功しました。
JAXA 内之浦宇宙空間観測所
大隅半島には、なんとロケット発射基地があります。
1961年(昭和36年)のこと。
日本におけるロケット開発の父である糸川博士が、ロケット発射台の建設に適した場所を探しに、日本中の太平洋沿岸を訪れたことがあるそうで。
内之浦を見渡す長坪の峠で立ションしたところ、目の前に広がる場所をみた博士は「ここだッ」と叫び、ロケット発射台に決まったという逸話があります。
JAXA 内之浦宇宙空間観測所は、16:30までなら内部を見学することができます。和休が到着したのは16:00。30分しかありませんが、できるだけ周ってみたいと思います。
基地の構造物はどれも巨大で、これまで見たことのないものばかり。
M型ロケット発射台のある駐車場から衛星ヶ丘展望台と呼ばれる場所までは、バンディットで移動できました。巨大なアンテナがあり、基地全体を見渡すことができます。
一度、ロケット打ち上げをこの目で見てみたいものです。
小惑星「イトカワ」へ向かい、見事にサンプルを採取し地球へ帰還した「はやぶさ」は、2003年(平成15年)5月9日13時29分25秒に、この内之浦宇宙空間観測所からM-Vロケット5号機によって打ち上げられました。
2010年6月13日、文字通り満身創痍の状態で、はやぶさが地球へ帰還。
内之浦観測所にあるこの34mパラボラアンテナが、はやぶさが大気圏に突入し、燃え尽きるまでの間、最後の通信を行いました。
はやぶさが最後に送信した写真は、地球を撮影した画像データ。
残念なことにはやぶさが地平線の下に隠れてしまったことにより、最後の通信は未了に終わったそうですが、途中まで受信できた地球の映像のきれいなこと。
このあと、はやぶさが燃え尽きてしまうことを想像すると、泣けてきます。
これは、糸川英夫氏の銅像。小惑星「イトカワ」は糸川博士にちなんで名づけられたものです。
糸川博士の銅像に刻まれている言葉です。心に沁みる名言です。
今日の宿はビジネスホテルです
内之浦宇宙空間観測所を後にし、今日の宿がある鹿児島県・鹿屋市へ向かいます。
きれいな夕焼けが広がり、明日も好天に恵まれる予感がします。
鹿屋のホテルは、「ホテル・こばやし」。値段で決めたのですが、屋根の下にバイクを止めることができて、大満足です。
このあと、九州最後の夕食をとりに、鹿屋の居酒屋「神村商店 七十七萬石店」を訪れました。
楽しい時間が過ぎ去るのは早いもの。明日は、いよいよ九州を発つ日になりました。
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