いやー連日暑いですね。
梅雨が長かったので、今年の夏は涼しく、短い夏になるのかな、と思っていたらとんでもない。
ハンパなく熱い夏がやってきました。
さて、真夏のツーリングを楽しむコツはいくつかありますが、その一つに涼しい時間帯に帰ってくる、というものがあります。
さらに標高の高いところは気温が下がりますから、海よりも山に行くのがおすすめです。
今回、和休が訪れたのは国道482号線の兵庫県と鳥取県の県境です。
国道482号線とは
国道482号線については、こちらの記事をご覧ください。
4か所の未開通区間のうち、和休がよく覚えているのは、神鍋高原と旧村岡町(現:美方郡香美町)の国道9号線の間にあった「蘇武トンネル」の開通です。
年度末に定年退職される兵庫県内の町役場の職員さん向けの説明会に、和休は仕事で呼ばれました。
当時の定年退職者向け説明会といえば、半分「お疲れ様会」の色も濃く、説明会の後は参加者も説明者も大宴会場に集まって、「意見交換会」という名前で大宴会するものでした。
畳敷きの大宴会場に大名膳がずらーっと置かれ、コロナ下の今では考えられないほどの密度。入社2年目の和休はあっけにとられていました。
良い感じでお酒がまわって、カラオケ大会に突入。
ある参加者が歌い終えた後、蘇武トンネルのことを自慢げに話しだしました。
どうやらこの道路の担当をされていた方で、この地域にとっては長年の夢がかなったと、とてもうれしそうに話しておられました。
さて、国道482号線は、最近まで未開通区間が残されていました。
それが、今回和休が訪れた兵庫県と鳥取県の県境を越えていく約6.4kmの区間です。
兵庫県但馬県民局の資料より引用
兵庫県の資料によると、国道未開通区間は、香美町小代区秋岡から県境(鳥取県若桜町つく米)までの間。
古くから両町は氷ノ山を越えて交流があったそうですが、車で香美町から若桜町へ行こうとすると、一旦鳥取市へ出るなど、山を大きく迂回しなければなりません。
地元民にとって、国道482号線の開通は永く待ち望まれたものであり、この道を通ることで約40分、時間短縮できるそうです。
青と赤の線が分岐するところが熱田橋という橋。
国道482号線は、熱田橋を渡った先にある熱田集落から先で途絶えていました。代わって、県境までは桑ヶ仙林道という林道が未開通区間をつないでいました。
この桑ヶ仙林道がどこを通っていたか資料が見つからず、イマイチはっきりせんので、一度きちんと調べたいと思いっています。
国道未開通区間と矢田川をはさんで並走していたのが、町道・岩小屋線という道路。赤い線です。
国は、林道ではなく、町道を整備して国道へ昇格させようと進めていたのですが、2004年(平成16年)の台風23号による土砂崩れ等で通行止めになっていました。
この工事がようやく終わり、2019年(令和元年)5月25日に開通したのでした。
そんな話を聞いたら、走ってみたくなりますよね。というわけで、山の中へ行けば涼しいだろう、という期待も込めて、県境を訪れることにしたのでした。
本日のルート
8月16日5:00、自宅を出発し、北へ向かいます。いつも通り国道175号線を北上していきます。
国道175号線は、西脇市付近から加古川と並走するのですが、ちょっと国道をそれ、川の対岸にある県道109号線にスイッチ。
この道を北上していくと、混雑する丹波市氷上町の街中を通らず道の駅青垣まで快走できるので、和休は良く通ります。
道の駅青垣から、無料の自動車専用道である「北近畿豊岡道(国道483号線)」を走ると播磨の国と但馬の国の境目である遠坂峠をトンネル(トンネルだけ有料)で通過することができるのですが、久しぶりに旧道である「遠坂峠」を通ることにしました。
遠坂峠は、全線片側1車線で、勾配やカーブは多いですが、道もきれいに整備されているのでバイクで走るならおすすめの峠道です。
峠を越え、北近畿豊岡道、国道9号線で香美町へ。いよいよ国道482号線との分岐点までやってきました。
そのまえに、伝説のドライブインでおやつを補給しておきましょう。
コインスナックふじ
レトロ自販機が稼働している「コインスナックふじ」です。ここは、うどんの自動販売機が現役で稼働しているのですよ。
と思ったら故障していました。残念です。
ちょうどここのオーナーさんがやってこられました。以前、この自販機が新聞に掲載されたそうで、聞きつけたライダーがよく訪れるそうです。
和休もうどん自販機を目的に訪れたのか、と思われたのか、「いやー、コンプレッサーが故障してしまってねぇ。すまないねぇ」としきりに謝ってこられます。
「いやー残念ですわ~」と応え、景色のいいところがあったら、パンとコーヒーで一服しようと、側にあったこれもレトロな自動販売機でパンを購入。
コインスナックふじを出発し、県境を目指したのでした。
うへ山の棚田
国道482号線は、香美町小代区の街中を通って県境へ続くのですが、街中に入ると、道幅が一気に狭まります。
対向車に注意しながら進んで行くと、「日本の棚田100選」に選ばれた「うへ山の棚田」への矢印が出てきたので寄り道してみることにしました。
貫田地区や対岸の平野地区は、急斜面に張り付くように集落があって、まるで「兵庫県のチロル」といえる風景が広がっています。
狭隘区間へ突入
ここは、香美町小代区秋岡。ここから先、国道482号は狭隘区間が続きます。
退避所の標識には、次の待避所までの距離が書かれています。
この辺りは、小代渓谷と呼ばれる名勝。矢田川の源流域です。「魚止めの滝」と呼ばれる魚さえ登れないといわれる滝があります。
ガードレールには、頼りなさげな標識がありました。
車1台が通行可能な道幅が延々と続いています。最も狭いところでは、道幅は2mあるのかどうか、疑わしいほど。
道の下には、矢田川が流れています。川からの冷気が道まで漂ってきて、快適です。
残念ながら、川の透明度は紀伊半島や四国の山中には敵わない。
舗装の状態はメチャ綺麗。
これでもか!というぐらいカーブミラーも設置されているし、しっかりしたガードレールが張り巡らされ、崖には落石防止の網が取り付けられている。
「落ちたら死ぬ」とか「落盤注意」なんて物騒な看板も無い。
さすが「令和の酷道」の異名を持つ国道ですね。もうこれは、バイクにとっては「快走路」と言ってもいいんじゃないでしょうか!
県境に到着
狭隘区間を走り抜け、県境までやってきました。国道は左へカーブして続き、車が止まっているところから先は、林道の入口になっています。
鳥取県側は快走路
鳥取県へ抜け、キャンプ場の入口を過ぎると、道幅は片側1車線になります。
道の右側には、「日本の棚田100選」に選ばれた「つく米の棚田」があるそうなので、寄ってみました。
眺望所が作られていたのですが、草や木が生い茂っていて見通しはイマイチでした。
地元の方がおすすめの場所は「わかさ氷ノ山 高原の宿 氷太くん」という宿からだそうなので、一度宿泊してみたいものです。
この後、国道29号線までは「つく米バイパス」と呼ばれるバイパスができていて、快走路が続いています。
国道29号線にある「道の駅 若桜」で休憩したら、折り返し。国道29号線と姫路パイパス、加古川バイパス、第二神明道路と走り抜け、自宅に到着したのは13時頃。
なんとか、最も気温が高くなるまでに帰ってくることができました。
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